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Vol.49 僕はバンコクで詐欺に遭った

バンコク 詐欺

4月16日土曜日

僕は詐欺にあった。

この日はそう、とても晴れていて、とても暑くて、とても体の調子の良い日だった。

僕は詐欺にあった。

そう、

僕は詐欺にあったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!



この日はバンコク市内を散歩しようと思い、カオサンからバスに乗り、

BTSのナショナルスタジアムあたりから東に向かって突き進んでいた。

とても気持ちの良い日だった。



バンコクの街並み、色んな人種、たくさんの物が目新しくて楽しかった。

そう。

あの時までは。。。

あれはアソーク駅周辺だっただろうか。

夕方5時頃の話。少し体も疲れていた。

BTS沿いから北へ向かって2分ぐらい歩いた所で、一人のシンガポール人に声を掛けられた。

そのオバチャンは40歳ぐらいの人で、とても顔色が悪く、とても困っていてソワソワしていた。



シ 「日本人の方ですか?」

僕 「そうですが、何か?」

シ 「いや、そうですか。。。いや、あのちょっと困っていて。。。」



この時は本当に警戒もしていたし、何より面倒くさそうなのでちょっと嫌だな~って思っていた。



シ 「実はプーケットからバンコクに来る車内でカバンを盗まれて、パスポートも財布も中に入っていて、今日は土曜日だから大使館も閉まっていて、、、どうしよう本当に。。。」

僕 「えー、そうなんですか。とりあえず警察に行った方が?」

シ 「いやいや、私はシンガポール人なんだけど、タイの警察は外国人の不法滞在にすごく厳しいの。何も自分を証明するものが無いから、捕まったら大変でしょ。お金が無いからホテルにも泊まれないし、大使館は開く月曜日まで待てば良いんだけど、仕事もあるから早く帰らないといけないの。大使館が開いてもパスポートの発行まで時間がかかるし。。。」



この時に疑うべきだった。

でも僕は本当に無知で、、、

マジで!?大変じゃん!!

って思ってしまったのです。バカでしょう。

そんなパスポートを無くしたぐらいで捕まるわけないのに、この時はそう思ってしまったんです。



シ 「あなたのホテルはどこ?」

僕 「カオサンだけど。」

シ 「そう。いくらなのホテル?」

僕 「150Bだよ」

シ 「安いわね。そう。」



こういう実のない話まで永遠に話させられた。少し人気の少ない道路脇で。


このシンガポール人、僕と会う直前まで携帯でお母さんに電話をしていたらしい。

お母さんがかなり心配している、そう言っていた。

僕の母も僕がこんな状態になったら心配するだろうな~なんて、向こうの思惑通りの発想までしていた。

この時点で彼女を信じる気持ちが既に70%を超えていた。


とりあえず、顔色が相当悪かった。これは確かにそう思えた。



シ 「ごめんなさい、そのお水頂ける?」



僕が飲んでいた水を指してそう言った。中身は半分以上残っていた。



僕 「あー、飲みさしで良かったら良いですよ。」



そういうと彼女はグビグビ一気にその水を飲み干した。

おいおい!相当喉が渇いていたんだな!大丈夫かこの人!!

この時点で彼女を信じる気持ちが既に80%を超えていた。


とにかく、どうするべきか必死に考えた。

すると彼女が提案してきた。



シ 「あなたキャッシュカード持ってない?うちのお母さんがあなたの口座に振り込むから、それを確認して引き出してもいいかしら?」



しかしこの時僕はキャッシュカードをゲストハウスに置いてきていた。

僕の現金は1400Bほど。



僕 「いや、ホテルに置いてますね。ごめんなさい。」

シ 「そうなの。。。いや、私本当にカバンに何もなくて、見ても良いから私のカバンの中身!あなたが私を信用できないのは分かるけど、私を信じてほしいの。。。」



ん゛~~~~~(  ̄_ ̄)

すると彼女はさらに提案してきた。



シ 「分かったわ、とりあえずプーケットまで私行けたらシンガポールまで近くて何とかなるの。だから1000Bだけ貸してくれない??で、明日の朝この口座に20000B振り込んでくれない?それで私帰れるの。帰ったらすぐに振り込むから!!あなたシンガポールまで来るでしょ?もし私の国まで来たら、うちの家に泊めてあげるし、ご飯も全て面倒みるわ!私の実家は料理屋を経営してるの。」



そういうと彼女は実家の住所を紙に書きだした。電話番号と携帯番号も。


僕はバックパッカー。正直そんな話には簡単に乗れない。

彼女が本当に困っていても。

でも僕は相当迷っていた。

本当にこの人が本物で困っているのなら、この人どうなっちゃうんだろう。

ここで見捨てるのはあまりにも薄情じゃ。

僕が尊敬する寅さんも困っている人にお金を渡す時こう言っていた。

「それが人の道ってもんよ」



寅さん基本500円玉やけどね。

よし、僕はこう提案した。



僕 「お母さんに電話させて下さい。」



お母さんの声さえ聞いたら本物かどうか確認できるだろう。

すると彼女は言った。



シ 「良いわよ!!」



そして携帯を取り出し、僕が電話を使おうとした瞬間

ピーピーピー

充電が切れてしまった。なんというタイミング。

お母さんの番号は携帯にしか入っていないらしく、公衆電話からの電話も無理。

僕は彼女の「良いわよ!」という反応を見て、すっかり信じ切ってしまった。

この時点で彼女を信じる気持ちが90%

よし、分かった!!



僕 「とりあえず1000B貸すからプーケットまで行って下さい!!」

シ 「本当!?ありがとう。私を信じてくれて。」

僕 「良いんですよ!困った時はお互い様ですよ☆ヽ(▽⌒)!!」



本当に馬鹿でしょう??

本当に。

とりあえず、彼女に1000Bを渡し、翌日20000Bを振り込む約束をしたんです。


でも、僕はここで最大にグッジョブな仕事をすることになる。

それは、



僕 「一緒に写真撮っていいですか?」



これ。はい、これグッジョブ。

彼女もためらいながら良いよと言ってくれた。

その時の写真がこちら。



とりあえず、この顔覚えておいてください。右ね。左ちゃうよ。

その後タクシーを拾って、バスターミナルへと向かう彼女を見送る。


しか-し!この時の彼女の対応が僕の脳裏に鮮明に違和感を覚えさせた。

彼女はタクシーに乗り込む瞬間、特に礼を深くする事なく、颯爽とその場を去ったのである。


普通、普通ね!!

僕が本当に困っていて、誰かに助けてもらった時、最後の最後までお礼を言い続け、その人の目をじっと見ながら感謝の気持ちを伝えると思うんです。

「それが人の道ってもんよ」



でも彼女はそれをしなかった。

それが、僕の脳に疑問を持たせたのである。



そしてそのままゲストハウスに帰宅。

帰ってしばらくして小幡とこの件について話し合った。

その結果、やっぱり20000Bを振り込むには疑問点が多すぎるということで落ち着いた。

よくよく考えるとおかしい。そしてそこまでする義理も正直ない。

安心できる要素が一つもない。

もし彼女が詐欺師でも、1000Bで自分の正義が保たれたなら良いじゃないか!!

そう思っていた。勉強代として。

でも、心のどこかで本当に今頃困っていたらどうしよう。って気持ちも正直あった。

その後、しばらく彼女から連絡は無かった。





そして!!

これは後日談。

僕は2回目にバンコクに来たときに、姉の親友であるヒロコさんの家にお世話になったんです。

そしてこの一件を話したんです。

するとヒロコさん



ヒ 「えぇ!?!?それ、この前日本大使館から緊急報告でメール来てたよ!!」



何!?!?

どういう事!?!?


内容は以下。そのまま添付してます。

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タイ在留邦人の皆様へ【大使館からのお知らせ】緊急一斉メール
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自称シンガポール人女性による詐欺事案発生に関する注意喚起
(2011年5月11日)

 昨今、邦人を狙った、自称シンガポール人女性による詐欺事案がバンコク都内で発生しています。今後も頻発する可能性もありますので、以下のとおり手口等をお知らせしますので、十分に注意して下さい。

1.事案発生時間帯及び場所は・・・
(1)時間帯〜主に夜間
(2)場 所〜スクムウィット地区界隈
        (主にBTSのプロンポン駅からトンロー駅までの間)  

2.手口は・・・
 (1)声掛け方法
   突然路上にて、自称シンガポール人女性(他のアジアの国籍を称する可能性もあり)に英語で声を掛けられ、『パスポートを含めお金を全て盗られた。親から海外送金して貰う予定である。貴方が持っているクレジットカード口座に振り込むので、カード番号を教えて欲しい。』と頼まれる。
 (2)お金の引き出し方法
   女性が、聞き出したカード番号をどこかに連絡をし、その後、ATMまで連れて行かれ、入金は既にされていると説明を受け、10万バーツ程の引き出しを頼まれる(実はカードを使ってキャッシングをしているだけ)。
 (3)事案発覚状況
   後日、不審に思いカード会社に連絡し、女性が説明した入金事実が無いことを知り、騙されたことに気付く。
 (4)参考事項
   犯人は、主に単独で行っているようで、主に単独で歩いている邦人を狙って詐欺を働いている。今後、他の地区でも同様の被害が発生する可能性もある。

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ちょいちょい!!まさにこれですやん!!!

やっぱりかーーーーー。。。

いや、分かっていたけどさぁ。やっぱりかぁ。

チクショー。。。

ヒロコさんのアドバイスもあり、僕は後日、日本大使館にその時撮った上の写真を送りつけた。

これがその犯人ですと。

その後、大使館からも連絡は無かった。。。





そしてそして!!

これは更に後日談。

タオ島で出会ったカヨちゃんからFACEBOOKで連絡が来た。

カヨちゃんにもこの一件をおもしろおかしく伝えていたのである。

カヨちゃんから来たメッセージはこれ。

カ 「たっちゃんこの人??http://www.newsclip.be/news/2011620_031203.html


リンクが切れた時の為に、以下に内容添付します。


見出し

シンガポール人女、実はタイ人ニューハーフ
日本人狙いの詐欺容疑者逮捕


【タイ】タイ警察は16日、日本人を狙い詐欺を働いた疑いで、タイ東北部ウドンタニ県出身のニューハーフ、ウタイ容疑者(34)をバンコク都内ディンデン地区のザ・リビングルーム・サービスパートメントで逮捕したと発表した。タイ警察は被害にあった日本人に警察に連絡するよう求めている。

 ウタイ容疑者はバンコク都内のトンロー通り、スクムビット通りなどの路上で、シンガポール人の女性と称して日本人に声をかけ、「金やパスポートを盗まれた。親から海外送金してもらうので、あなたのクレジットカード口座に振り込ませてもらいたい」なとど頼み、被害者がこれに応じると、現金自動預払機(ATM)で被害者の口座から現金をキャッシングで引き出していた。被害額は100万バーツ以上の上るとみられている。

写真



オッサンゴラァァァァァァァァァ(▼皿▼#)!!!!!!!!

何がBITCH PLEASEじゃ!!!!

何が身長163cmじゃ!!!!

このオッサンありえへん。俺の信じた気持ち返せ。

でも、捕まったんだね(´m`)クスクス


以上!!


僕がシンガポール人、いやタイ人のニューハーフ詐欺師に遭った話でした。

とりあえず被害総額は1000Bです。心配してくれた皆ありがとう!

そして長いのに最後まで読んでくれてありがとう!

これにて一件落着!!

バンコク 詐欺

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